ダイカスト用亜鉛合金の選択

通常の製品では、できばえの品質、コスト、及び加工性の優れているZDC2が用いられるが、特に機能品質が要求される機械部品や保安部品については、ZDC1或いはべリック等の特殊合金を用いることもある。ここで注意すべき点は、ダイカスト製品の品質を左右する要因として、合金選択のみならず、設計技術および作業条件も大きく影響をおよぼすので、メーカーの選択が重要である。

1.亜鉛ダイカスト合金の主な種類と特性

※1~5の5段階評価で、数字の小さい方が良い。

2.設計技術による品質

1.製品デザイン

製品デザイン設計によっては、強度に大きな違いが出る。

2.金型設計

金型設計により流動性が違う例で、右の方案では合金の流れの中に、空気が捲き込まれているので、外観品質はもちろん、強度も劣る品質になる。

3.作業条件による品質

1.鋳造条件

製品表面断面を拡大したもの。左は、表面の結晶粒子が細く整然と並んでいて、チル層(硬化層)が形成されている。鋳造時の条件が不適正だと、右の如く粒子は粗大になることもある。

2.合金の溶解

亜鉛ダイカストでは、鋳造すると必ず余材が出るが、多くは工場内でリターン材として再利用される。このときの添加物、或いは溶解作業によっては、初期の合金組成と同等の物を得るのに、ある程度の技術レベルが必要。