JIS H 0401「溶融亜鉛めっき試験方法」が平成11年9月20日付けで改正公示されました。主な改正点について解説します。

I.規格本文の改正点

  1. 序文がつきました。
  2. 「1.適用範囲」の中に備考としてこの規格に対応する国際規格が記載されました。
  3. 「2.引用規格」が規定され,11のJIS規格が指定されました。
  4. 「2.3試験方法の分類」の表1において付着量試験として直接法と塩化アンチモン法が規定されていましたが,直接法と間接法に改正されました。
    (4.2間接法,4.2.2試験液の項参照)また,「参考 硫酸銅試験は、均一性試験とも呼ばれている。」が削除されました。
  5. 「3.2塩化アンチモン法」が「4.2間接法」に改正され,「4.2.2 試験液」が a)ヘキサメチレンテトラミン液,b)塩化アンチモン液の2種類に規定され,新たにヘキサメチレンテトラミン液の調製方法が規定されました。
  6. 「4.2.4操作及び付着量の計算」の内容が見直され改正されました。最少試験液量を規定したこと,水素の発生が止まると溶解が終了したことを示すこと及び試料をアルコールに浸けて乾燥させる方法等が記載されました。
    また,「d)ボルト・ナット類の場合」においてねじ部を含む試験片の表面積について計算式が訂正されました。これによりボルト・ナット共に従来の表面積よりも大きく算出される結果になりました。特にナットは差が大きいので注意が必要です。
  7. 「6.密着性試験方法」において,「図5 ハンマ試験装置」が改正されました。改正点は、支点高さが25mmから60mmになって,打撃姿勢が水平になったことと,ハンマ頭部質量が210gから213±3gになったことです。
  8. 「8.性状試験方法」の表2において,めっき面積が割愛され,表全体が小さくまとめられました。

II.解説の改正点

  1. 冒頭に「この解説は、本体に規定した事柄,及びこれに関連する事柄を説明するもので,規格の一部ではない。」という断り書きがつけられました。
  2. 「まえがき」に今回の改正は,溶融亜鉛めっき(JIS H 8641)と国際規格との整合性を図ることにおいてこの規格も改正の必要性が生じたこと,主な改正点は条文構成の順序の一部変更と,ISOとの整合性を図るため付着量試験方法の中で間接法の接法の試験液にヘキサメチレンテトラミン液を追加したこと及び対応する国際規格との整合性を「解説付表」に示したことなどが記載されました。
  3. 「4.付着量試験方法」に塩化アンチモン法とヘキサメチレンテトラミン法との関係について,今回は並行使用を認め,次回の制定,改定及び見直しをする際に塩化アンチモン法を廃止するすることなどが記載されました。また,ヘキサメチレンテトラミンの性状についての解説が記載されました。
  4. 「4.2.4dボルトナット類の場合」における表面積を求める式の修正についての解説が記載されました。
  5. 「6.密着性試験方法」の「6.5ハンマ試験方法」に規定されているハンマ試験機についてJIS規格とASTMのハンマ試験機との関係を説明し,ハンマ試験機の改正について解説を加えました。
  6. 「解説付表JISと対応する国際規格との対比表」がつけられました。