花の万博「咲くやこの花館」
花の万博「咲くやこの花館」

JISには亜鉛めっき層の付着量測定として、

①直接法:試験片をめっき前に秤量して、めっき後再度秤量し、その増量から付着量を求める方法
②間接法:めっきされたっ試験片を秤量した後、塩酸でめっき被膜を溶解除去し、再度秤量してその増量から付着量を求める方法
③間接法:磁力式測定装置を用いて製品の被膜厚さから換算によって付着量を求める方法(磁力式試験法)

の3法が記載されている。 ここでは、③の厚膜計を用いた方法を解説する。
なお、JIS H0401 には、測定箇所や操作及び付着量への換算などの規定が掲載されていますので最新版を確認して下さい。

1.測定原理

電磁コイル(プローブ)を鉄材に近づけると,その距離に応じてインダクタンスが変化します。この関係は,鉄(強磁性体)の上記にめっき,塗装,ライニング等(非磁性体)の層がある場合も同様で,この表面に電磁コイルをあてると,層の厚みに比例してコイルのインダクタンスが増減します。インダクタンスが変われば電流も変化するので,電流計に厚みに比例した振れが指示されます。(図1,図2)

図1
図1
図2
図2

2.測定方法

2.1 プローブを本体に接続し,電源を入れます。
2.2 次にゼロ調整と標準調整を行います。
(1)ゼロ調整は,測定対象物と同じ材質,形状,厚みの素地にプローブをあてて行います。素地にはめっきや塗装のされていないものを用意します。
(2)標準調整は厚さの判明している標準板を素地にのせプローブをあてて行います。標準板は測定範囲の上下限とその中間のものがあれば測定精度は上がります。
2.3 ゼロ調整と標準調整が終われば,目的の測定物にプローブをあててめっき皮膜厚さを読みます。
なお,膜厚計はいろいろな種類があり,操作方法も若干異なる点もありますので,購入される場合は,取り扱い説明書を良く読まれることが必要であります。

3.測定における注意事項

(1)素材の材質が鉄であることを確認してください。
(2)プローブ先端のチップを傷つけると正しい測定ができないため,プローブを測定面にあてる場合は叩き付けたり,横にずらしたりしないようにしてください。
(3)標準板が傷ついたり折れ曲がった場合は,新しいものに取り替えてください。
(4)計器の精度保持のため,少なくとも年1回の点検が必要です。
(5)ゼロ調整,標準調整は測定対象物の形状に合わせて行ってください。(図3,図4)

図3
図3
図4
図4